「サボる」ことは一般に「悪」、だという印象を抱く人が多いのではないでしょうか?
私自身も、サボることはダメなこと、だと教えられてきました。同様に、真面目にサボらずやることが正しいこと、だと教育されてきたために、大人になっても適切にサボることが苦手なように感じます。
ただ、すべてが「サボる=悪」ではないと考えています。時には、うまくサボることも必要だと感じてるほど。
日本人は、サボらず真面目に頑張る人が多い印象。これは、世界に自慢できる日本人の特徴です。
一方、サボるのが苦手なために、日々の生活に疲弊し、時に自ら命を絶つ人も少なくありません。
このような状況を鑑みると、真面目な日本人こそ、「サボるトレーニング」を積むべきだと考えています。
日本人の生真面目さに、適切な「サボる力」が身につくと、百戦錬磨、鬼に金棒、怖いものなんてなくなるはずです。
そんな思いを込めて、今回は「サボること」について書き記したいと思います。
「サボる」ことは悪いこと?【「良い」サボると「悪い」サボる】
そもそも、サボることは悪いことなのでしょうか?私はすべてのサボる行為が悪いことだとは思いません。
サボるには、「良い」サボると「悪い」サボるの2つに分類され、「良い」サボる行為は磨いていくことが重要だと考えます。一方で、「悪い」サボるは不要なものです。
では、「良い」サボると「悪い」サボるについて、私が考える定義をご紹介します。
「良い」サボるとは?
「良い」サボるとは、やらないことを考えて選択する行為、だと定義しています。
つまり、適切な「割り切り」ができるか、ということ。
サボるところと力を入れるところの分別がつき、効率的に力を入れたり抜いたりすることを指しています。
「悪い」サボるとは?
一方、「悪い」サボるとは、ただただ手を抜くだけの行為、です。
- キツいから
- 面倒くさいから
- やりたくないから
- 複雑で難しいから
などの理由だけで、「やらない」判断をする行為は「悪い」サボるに該当します。
「サボる」というと、一般に力を抜いてやらないことを指す負のイメージが強いはずです。これこそが、「悪い」サボるの典型例だといえます。
サボるトレーニングを積もう!【「良い」サボる力を身につけてラクをする】
「良い」サボるを身につけるためには、やらないことを取捨選択することができなくてはいけません。やらないことを選択することは容易ではありません。だからこそ、サボるトレーニングをする必要があります。
常に「サボれることはないか?」を考える
サボるトレーニングとして最も有効な方法は、「サボれることはないか?」を常に考えることです。
例えば、現状の「1」を、「10」にして欲しいという依頼があり、「1」から「10」にするには、「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」の過程を経ないと「10」に到達しない仕事だった場合。
この時、一般的には順番通りに「1」から「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」というステップを1つずつ潰していって「10」に到達させる手順を取る人が多いのではないでしょうか。
ただ、サボる力を身につけるなら、トレーニングとして「2」〜「9」の中で、
- 必要ない作業はないか?
- 無駄な作業はないか?
- 前例踏襲で無意味な手間が生じていないか?
- 一度仕組み化すれば手間が減る作業はないか?
をじっくり考えてみましょう。
無駄な作業や時間を奪う作業、なぜ必要なのかわからない作業は、必ず作業に取り掛かる前に必要の有無を考えるべきです。
必要の有無を真剣に考えることで、「サボれること」の洗い出しができ、サボることを取捨選択する良いトレーニングになります。
最初は「全体像」を把握する意識で
サボる選択をするには、そもそも全体像を把握しないと始まりません。このため、まずはじめに「全体像」を把握する意識を持っておく必要があります。
先ほどの例でお話しすると、
現状の「1」を、「10」にして欲しいという依頼があった場合、「1」から「10」にするための全体像が把握できていないことには、そもそも取捨選択する項目を確認する術がありません。
「1」から「10」への過程で、「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」のステップを踏むことがわからないと、「2」が必要な作業かどうかを考えることすらできません。
だからこそ、まずはスタートとゴールを含めた「全体像」を把握することが、サボるためのはじめの一歩とも言えます。
最後に。
今回は、「サボる」ことについてお話ししてきました。「サボる」とはいけないことだという固定概念が蔓延っていますが、私はもっと「サボる」べきだと考えています。
やる必要のないことはやらず、やるべきことに注力する。このバランスこそが、今後求められる力だと信じています。
やりやすいことだけやる、やりたくないことはやらない、というのは本末転倒、時間の無駄です。ここは要注意。
「サボり」を極めるためにも、全体像を把握して取捨選択をし、力を入れる場所と入れない場所を判断できるようになる。
適切に「割り切り」をしていくためにも、日々サボるトレーニングを続けていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。
《注》ここで書かれている内容は、あくまで個人的見解であり、一個人の記録としてご笑覧いただけると幸いです