仕事やプライベートで、議論がなかなか噛み合わない。そんな経験をしたことをありませんか?
仕事での会議のようなかしこまった場所でなくても、日常会話の中に「議論が噛み合わないなぁ」と思う経験をしたことが一度はあるのではないでしょうか。
特に、当事者ではなく第三者として話を聞いていると、より一層議論の噛み合わなさに気付きます。
では、なぜこのように議論が噛み合わないことが生じるのか。
今回は、議論が噛み合わない理由について考えていきます。
議論が噛み合わない2つの理由
議論が噛み合わないのはなぜなのか?
その理由として以下の2つが考えられます。
- 無知な相手と議論しない
- お互いが相手に対して無知である
1)無知な相手と議論しない
まずひとつ目が、「無知な相手と議論しない」ということ。
これは、ある一方が無知な相手に対し、議論を放棄する場合に発生します。
ゆえに、頑張って主張する側が意見を述べても、その内容があまりにも無知すぎると一方が聞く耳をふさぐため議論が成立しません。
例えば、環境問題についての議論で、「火力発電は大量のCO2を排出するので、日本から火力発電を100%無くすべきだ!」という主張。
もちろん、この主張は模範解答、かつ、正論です。欧州を中心にこれだけ環境問題意識が高まっている中、炭素排出削減・抑制に向けて動いていく必要がある主張はわかります。
ただ、「100%なくすべきだ!」で主張が終わってしまうと、その主張を聞いた側はそれ以降の議論をしてくれなくなるでしょう。
なぜなら、「CO2排出を減らしていくべきことはわかったけど、、、」
- どのような方法で減らしていくの?
- 日本の電気エネルギーの構成状況ってそもそも知ってる?
- 火力発電の代替エネルギーは何を使うの?
- 火力発電の燃料となる石炭・LNG・石油はどこから仕入れている?
- 海外の輸入先との貿易条件の変更をどのように整理していくの?
- 火力発電施設で働いている人の雇用は?
など、いくつのも疑問が湧いて出てきます。
このため、「火力発電は日本から100%無くすべきだ!」に続く疑問解消の具体案がないと、「この人綺麗事を並べるだけの無知の人だな」と判断され、それ以降の議論を適当に流されることにつながります。
良くしていきたい熱意は大切です。が、具体例のない綺麗事だけ並べた上部の主張では、聞き手の心を動かすことはできません。
主張側だけでなく、聞く側も時間は限られています。したがって、建設的でない議論だと判断されると、コミュニケーションコストとして捉えられ、試合前から議論を放棄されてしまいます。
2)お互いが無知である
ふたつ目が、「お互いが相手に対して無知である」ということ。
これは、互いが相手の主張内容に対し、無知の場合に発生します。
ゆえに、相手の主張を理解するだけの知識に乏しく、一向に理解が得られない状況が続くため議論が成立しません。
例えば、「◯◯という作者の◇◇という本が素晴らしかった!」という、日常会話で聞きそうな会話。
ただ、聞く側が
- ◯◯という作者を知らない
- ◇◇という本を読んだことがない
とすれば、その主張はまったく理解されないはずです。
日常会話では適当に、「そんなに面白いんだあ!今度読んでみるね!」と流して終わるかもしれません。
もし聞く側が無知の内容に興味を示し、聞く耳を持てば話は広がりをみせるかもしれません。
ただし、主張側が聞く側の無知に対する配慮に欠け、言いたいことをひたすら主張すれば聞く側の興味も失せていくでしょう。
この状況は、主張側の「無知」の典型例であり、お互いが無知であることは、議論の展開を狭めていきます。
最後に。
今回は、「議論が噛み合わない理由」について述べてきました。
その理由として、
- 無知な相手と議論しない
- お互いが相手に対して無知である
この2つを挙げました。
もし、議論が噛み合わない、話が合わない時は、
- 自分が無知な発言をしていないか?
- 無知な内容に対して歩み寄りができているか?
と自分に説いてみると、その答えが少し明瞭になるかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。