金融

都道府県別の経済的豊かさ第1位は「三重県」。東京都は第42位。【移住先選びの参考に】

2022年1月26日

都道府県別の経済的豊かさ第1位は「三重県」。東京都は第42位。【移住先選びの参考に】

コロナ禍で働き方が大きく変わっていくなか、リモートを取り入れる企業がコロナ以前よりも格段に増えました。この変革により、場所を選ばずに働ける環境が整いつつあるのではないでしょうか。

ヤフーでは、令和4年1月12日に全国どこにいても働くことができるよう飛行機通勤を可能にし、居住場所を問わない制度変更を発表しました。

参考元:ヤフー全社員、国内どこでも居住可に 航空機出社もOK(日経新聞)

ヤフー社員約8000人のうち約9割がリモートによる業務を取り入れていましたが、これまでは居住場所について午前11時までに出社できる範囲という制限がありました。今回の発表によってこの制限が緩和されたことで、首都圏に住む必要がなくなり全国どこでも好きな場所で生活しながら働くことが可能になっています。

この動きは大きな変化であり、職場に縛られず好きな場所に住む権利を得たという捉え方もできるでしょう。また、通勤によって制限されていた首都圏に住む必要性が薄くなってきたことも意味します。

となると、わざわざ物価の高い首都圏に住む必要がないと考える人も出てくるでしょう。

私のように社会人になって上京した人の場合、

  • 親の介護等で故郷に帰省する
  • 東京で一生生活し続ける

というどちらかの選択を取る人がこれまで多かったのかもしれません。

が、今後は上記の選択肢に加え

  • 住んだことのない場所に数年だけ住んでみる
  • 気候のいい場所に住んでみる

といった新たな選択が可能になります。

ではどのような場所が選択肢に入ってくるのか。

今回は、「経済的豊かさ」という視点に絞って都道府県別の豊かさを見ていきます。

テレワーク等の導入がまだの人も、そもそも導入ができない職種の人も、どの都道府県に住むと豊かで楽に過ごすことができるか知っておいて損はないと思います。興味がある方はどうぞ。

【都道府県別】経済的豊かさランキング

さっそくどの都道府県が経済的に豊かなのか見ていきましょう。

今回紹介するデータは「企業等の東京一極集中に関する懇談会 とりまとめ(令和3年1月29日)参考資料」および「都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)」を参考にしています。

全世帯の可処分所得ランキング

全世帯の可処分所得ランキングは以下のとおり。

「可処分所得」とは、給与から税金や社会保険料を差し引いた手取り収入のことで、ランキング上位であればあるほど手取りが多いということになります。

ここでいう「世帯」とは、2人以上の勤労世帯を指しており、単身または経営者等は含んでいません。

  • 富山県
  • 福井県
  • 東京都
  • 茨城県
  • 香川県
  • 神奈川県
  • 山形県
  • 愛知県
  • 岐阜県
  • 栃木県
  • 埼玉県
  • 長野県
  • 島根県
  • 山梨県
  • 千葉県
  • 静岡県
  • 滋賀県
  • 徳島県
  • 新潟県
  • 三重県
  • 福島県
  • 石川県
  • 奈良県
  • 秋田県
  • 広島県
  • 兵庫県
  • 鳥取県
  • 京都府
  • 岡山県
  • 宮城県
  • 岩手県
  • 群馬県
  • 福岡県
  • 佐賀県
  • 山口県
  • 高知県
  • 北海道
  • 大阪府
  • 熊本県
  • 愛媛県
  • 長崎県
  • 和歌山県
  • 鹿児島県
  • 宮崎県
  • 青森県
  • 大分県
  • 沖縄県

ただし、この全世帯の可処分所得ランキングでは極端に収入が多い人や少ない人が入ってくるため、少数のお金持ちによって可処分所得が上がるなど、実態と乖離したランキングになる傾向があります。

中央世帯の可処分所得ランキング

このため、可処分所得の上位40%〜60%という中間層を中央世帯として可処分所得ランキングに並べ替えたのがこちらです。

  • 富山県(手取り第1位)
  • 三重県(手取り第2位)
  • 山形県(手取り第3位)
  • 茨城県
  • 福井県
  • 愛知県
  • 神奈川県
  • 埼玉県
  • 京都府
  • 新潟県
  • 岐阜県
  • 東京都
  • 長野県
  • 徳島県
  • 山梨県
  • 滋賀県
  • 千葉県
  • 奈良県
  • 岡山県
  • 鳥取県
  • 静岡県
  • 栃木県
  • 秋田県
  • 福島県
  • 広島県
  • 島根県
  • 香川県
  • 兵庫県
  • 山口県
  • 岩手県
  • 石川県
  • 宮城県
  • 群馬県
  • 熊本県
  • 佐賀県
  • 福岡県
  • 大阪府
  • 北海道
  • 愛媛県
  • 和歌山県
  • 高知県
  • 鹿児島県
  • 宮崎県
  • 長崎県
  • 青森県(手取りワースト第3位)
  • 大分県(手取りワースト第2位)
  • 沖縄県(手取りワースト第1位)

このランキングが、各都道府県の平均的な所得水準を表したランキングと考えていいでしょう。

基礎支出ランキング

次に、支出ランキングです。

「基礎支出」とは、「食料費」「家賃」「光熱水道費」の合計で算出した支出額であり、ランキングは支出が多い都道府県順に並んでいます。

  • 東京都(支出ワースト第1位)
  • 神奈川県(支出ワースト第2位)
  • 埼玉県(支出ワースト第3位)
  • 千葉県
  • 京都府
  • 大阪府
  • 兵庫県
  • 富山県
  • 静岡県
  • 愛知県
  • 栃木県
  • 広島県
  • 山形県
  • 福井県
  • 滋賀県
  • 新潟県
  • 長野県
  • 群馬県
  • 三重県
  • 奈良県
  • 山口県
  • 秋田県
  • 島根県
  • 岐阜県
  • 茨城県
  • 石川県
  • 山梨県
  • 宮城県
  • 香川県
  • 愛媛県
  • 鳥取県
  • 福島県
  • 北海道
  • 岩手県
  • 福岡県
  • 和歌山県
  • 岡山県
  • 青森県
  • 徳島県
  • 熊本県
  • 高知県
  • 長崎県
  • 鹿児島県
  • 佐賀県
  • 沖縄県(支出第3位)
  • 宮崎県(支出第2位)
  • 大分県(支出第1位)

基礎支出ランキング上位の場合、その都道府県に居住しているだけで、支出が増える傾向にあります。お金を使える場所があるといえる一方、生活費が自然と上がりやすくなるため手取りが多くても手残りが少なくなる傾向にあります。

同じような生活を送るのであれば、できる限り生活費は落としたほうがいいというのが定石でしょう。

可処分所得と基礎支出の差額ランキング

上記の「中央世帯の可処分所得」から「基礎支出」を差し引いた残りの額が多いランキング、つまりお金の手残りが多い都道府県別のランキングです。これが、経済的豊かさを表すランキングともいえます。

収入額から支出額を差し引いた残りの額が、自由に使いみちを選べる手残りのお金です。この手残りは多ければ多いほど、お金が貯まりやすく使いみちを選択できるため、お金の余裕が生まれていきます。

  • 三重県(経済的豊かさ第1位)
  • 富山県(経済的豊かさ第2位)
  • 茨城県(経済的豊かさ第3位)
  • 山形県
  • 福井県
  • 徳島県
  • 愛知県
  • 岐阜県
  • 岡山県
  • 新潟県
  • 山梨県
  • 鳥取県
  • 長野県
  • 福島県
  • 奈良県
  • 滋賀県
  • 香川県
  • 京都府
  • 秋田県
  • 佐賀県
  • 岩手県
  • 島根県
  • 埼玉県
  • 熊本県
  • 山口県
  • 神奈川県
  • 静岡県
  • 栃木県
  • 石川県
  • 広島県
  • 宮城県
  • 福岡県
  • 兵庫県
  • 千葉県
  • 群馬県
  • 高知県
  • 北海道
  • 鹿児島県
  • 宮崎県
  • 和歌山県
  • 愛媛県
  • 東京都
  • 大分県
  • 大阪府
  • 長崎県(経済的豊かさワースト第3位)
  • 青森県(経済的豊かさワースト第2位)
  • 沖縄県(経済的豊かさワースト第1位)

通勤時間の機会費用を加味したランキング

最後に、「可処分所得と基礎支出の差額」から「通勤の機会費用」を差し引いたランキングです。

これは通勤時間は時間を奪う費用だとして換算したもので、通勤時間が長ければ長いほど通勤時間の機会費用が大きくなります。通勤の機会費用は、首都圏になればなるほど大きくなる傾向があり、通勤時間を支出として計算することで下記のランキングが作成されています。

  • 三重県(通勤を加味した経済的豊かさ第1位)
  • 富山県(通勤を加味した経済的豊かさ第2位)
  • 山形県(通勤を加味した経済的豊かさ第3位)
  • 茨城県
  • 福井県
  • 徳島県
  • 新潟県
  • 鳥取県
  • 岐阜県
  • 岡山県
  • 山梨県
  • 長野県
  • 福島県
  • 愛知県
  • 秋田県
  • 岩手県
  • 島根県
  • 佐賀県
  • 香川県
  • 滋賀県
  • 熊本県
  • 山口県
  • 京都府
  • 石川県
  • 静岡県
  • 奈良県
  • 栃木県
  • 広島県
  • 宮城県
  • 鹿児島県
  • 高知県
  • 北海道
  • 宮崎県
  • 福岡県
  • 群馬県
  • 愛媛県
  • 和歌山県
  • 埼玉県
  • 兵庫県
  • 大分県
  • 長崎県
  • 青森県
  • 神奈川県
  • 千葉県
  • 大阪府(通勤を加味した経済的豊かさワースト第3位)
  • 沖縄県(通勤を加味した経済的豊かさワースト第2位)
  • 東京都(通勤を加味した経済的豊かさワースト第1位)

東京に住みつつ毎日通勤をしている会社員の経済的豊かさは、このランキングによると最下位になることがわかります。

どの都道府県別ランキングを見てどう行動すれば良いか【パターン別】

ではこれらのランキングをどのように活用すれば良いか。パターン別にどのような視点でどう行動すれば良いか整理してみました。全てに当てはまるかどうかわかりませんが、参考までにどうぞ。

3つのパターンを考えてみました。

  • 1)首都圏の仕事をしながらテレワーク等を活用して居住地を自由に選べる場合
  • 2)仕事を辞めて移住先の職場に転職しテレワーク等をする場合
  • 3)仕事を辞めて移住先の職場に転職し通勤する場合

1)首都圏の仕事をしながらテレワーク等を活用して居住地を自由に選べる場合

もしヤフー社員のように首都圏の仕事に就きつつもリモートが主で居住地が問われない場合は、「基礎支出ランキング」に注目します。

首都圏の仕事をすることで高い収入を獲得でき、加えて支出を抑えることができれば手残り額が多くなるためです。

よって、支出が抑えられる

  • 大分県
  • 宮崎県
  • 沖縄県

が選択肢のひとつになってきます。

2)仕事を辞めて移住先の職場に転職しテレワーク等をする場合

もし首都圏の仕事を辞めて移住先の仕事に転職し、転職先でリモートができる場合は、可処分所得と基礎支出の差額ランキング」に注目します。

移住先の中である程度の収入を獲得でき、支出もある程度抑えることができるというバランスの取れた場所であるため、通勤を考えなくてよければ手残り額が多くなります。

よって、手残りが多くなる

  • 三重県
  • 富山県
  • 茨城県

が選択肢のひとつになってきます。

3)仕事を辞めて移住先の職場に転職し通勤する場合

もし首都圏の仕事を辞めて移住先の仕事に転職し、転職先でリモートができないために通勤が必須の場合は、通勤時間の機会費用を加味したランキング」に注目します。

可処分所得と基礎支出の差額ランキング」が上位であっても、通勤に多くの時間と体力を使っているようでは余裕のある時間を生み出すことは難しくなるためです。

よって、通勤時間が考慮された経済的に豊かな

  • 三重県
  • 富山県
  • 山形県

が選択肢のひとつになってきます。

いかがだったでしょうか?住む場所は経済的豊かさではかることはできない、という意見もあるでしょうが今回は敢えて経済的豊かさにスポットを当てて書き記しました。

何かのヒントになれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。

  • この記事を書いた人
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みむら たけし

土木屋/国家総合職・国家一般職・都庁・県庁の4公務員試験に合格/野球10年/サッカー好き/イギリス・スペインでサッカー観戦(マンU・バルサ・レアル)/カリフォルニア州にホームステイ/全国400店舗達成/“Stay hungry, stay foolish”/2021年3月からブログ運用中!!

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