政策

会社で出世するには、会社外の成果が要求される時代。

2022年1月25日

会社で出世するには、会社外の成果が要求される時代。

会社で出世するには、会社外での経験やスキルが必要な時代に突入するとは。

日経新聞の記事「課長昇進、出向・副業経験を前提に 三井住友海上」によると、

三井住友海上火災保険は出向や社外での副業など「外部での経験」を社員が課長に昇進するための前提にする。

とのこと。

つまり、会社内だけで成果を上げる人ではなく、会社外でも成果を上げれるようなより高い能力を求める流れが加速していくということ。

外部経験を取り入れる狙いとして三井住友海上は、

損害保険は主力の火災や自動車保険の成長が頭打ちになっており、多彩な人材の育成や外部との連携強化が課題になっていた。

と述べており、外部の民間企業や官公庁への出向機会を確保した上で、2030年度にも始める方針を明らかにしています。

大手企業での管理職昇進に外部経験を課すのは珍しいとのことですが、今後はこの流れが加速していくかもしれません。

同じ会社に居座って定年を迎える「終身雇用」の時代は終わった

今回の三井住友海上のニュースからも読み取れますが、終身雇用の時代は終わりに向かいつつあります。

学校を卒業し、新卒で会社に入社。約40年間という長い期間を同じ会社で過ごし、退職金をもらって老後を迎える。これまでの王道といわれてきた終身雇用。安定安心の代名詞とされてきた神話は徐々に陰りを見せ始めました。

安定といわれてきた終身雇用の流れも、急速な時代変化とグローバル化などによって現実味が薄れてきています。

現に、会社経営者のトップは終身雇用の限界に頭を悩ませているはずです。

サントリー社長の「45歳定年制」発言

2021年9月9日。オンラインで開催された経済同友会のセミナーでサントリー社長が「45歳定年制」を発言したとこで大きな波紋を呼び、SNS上では炎上する結果となりました。大きな反響があったことから、発言の修正を迫られたことは記憶に新しいですね。

反響があったと言いつつも、「45歳定年制にして、個人は会社に頼らない仕組みが必要」との発言には経営者としての本音が垣間見れます。

トヨタ社長の「終身雇用難しい」発言

少し昔に遡ると、2019年10月13日には日本自動車工業会の会長会見で、トヨタ自動車社長が「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」とも発言しました。

こちらも大きなニュースになり、日本トップのトヨタ自動車でも終身雇用の確約ができないらしいと世間をざわつかせました。

このように、2020年代は大きく働き方が変わっていく時代に突入することが決定的で、これは各企業の社長の発言からも容易に予測することができます。

公務員も例外ではなくなる時代

公務員はいつの時代も安定して大丈夫だろう。という安心感は非常に危険です。

確かに直近ですぐクビになるような状況にはならないでしょうが、公務員も様々な能力が求められるような時代になっていくでしょう。

財務省が公表している「令和3年度 公務員人件費」によると、平成15年度に郵政公社化、平成16年度に国立法人化等によって国家公務員の人件費は大幅に減少し、以降横ばい(なだらかな減少傾向)で推移しています。

平成12年度まで好調なペースで上昇していた人件費は今後同様の推移まで戻ることは難しいでしょう。これはつまり、公務員の人員削減の明らかな流れであり、国自体もこれ以上の人を雇う力がないことを表していると考えます。

業務は増えるが人は増えない、という苦しい状況は官民とも同じ。厳しい日本の事情が伺えます。

我々労働者はどう立ち振る舞えばよいか

苦しい未来がやってくるだろうということはなんとなくわかりましたが、ではどう立ち振る舞っていけばよいのでしょうか。

結局のところ、

「現状維持をするな」

の一言に尽きるような気がしています。

  • 現状に満足せず、常に新しいことを学び続ける
  • 様々なコミュニティに参加し、普段から新鮮な感覚を吸収する
  • スキルをより深め専門性を高める

など、現状にあぐらをかくのではなく、常に走り続けるイメージ。

と考えると、人生ハードモードだと思いますよね。学生時代も部活に勉強で走り続け、社会人になっても学び続けるって。心折れるのではないでしょうか(笑)

この場合の対策としては、

  • 出世を目指さない
  • 無理しない
  • 小さな興味から始めてみる

といった方法が考えられます。

第一に、本当に出世したいのかをよく考えてみましょう。出世したくないのに、出世に必要なスキルや勉強をしても意味ないですからね。

仮に出世したいとか、これは自分が好きなことでやりたいことだと思うなら、とりあえず無理しないこと。人生は長いので全力疾走を続けることは容易ではありません。肩の力を抜いてゆっくり自分のペースを守りつつ取り組んでいきましょう。

また、勉強するにしても学び続けるにしても嫌いなことや苦手なことをやることは苦痛だと思います。だからこそ、小さくでいいので興味を持ったことから始められればゆっくりと長続きできるかもしれません。

近年の流れを見ていると、終身雇用は確約されず、出世するには社外での経験や多彩な能力が必要になる、そんな実力が求められるかなりハードな状況へと変化しています。

こんな状況だからこそ、今一度自分がどうなりたいかも含め、ひとつずつでも着実に、ゆっくりでいいので歩みを進めていくことが大切になっていくのではないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。

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みむら たけし

土木屋/国家総合職・国家一般職・都庁・県庁の4公務員試験に合格/野球10年/サッカー好き/イギリス・スペインでサッカー観戦(マンU・バルサ・レアル)/カリフォルニア州にホームステイ/全国400店舗達成/“Stay hungry, stay foolish”/2021年3月からブログ運用中!!

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