「最近の若いやつはダメだな…」巷でよく耳にする言葉です。
「This is a pen.」レベルで、日本語例文にしてもいいのではないかと思うくらい、よく耳にします。
私は、「最近の若いやつは…」という枕詞が出た瞬間に「またか…」と心の中で呟きます。昔は「ドキッ」っと身構えていましたが、今では身構えることすらも辞めました。
過去の私は、「最近の若いやつは…」という導入文に強い不快感を感じていたのです。が、考え方を変えて以降、不快感はなくなり「無」の境地となりました。
そこで今回は、「最近の若いやつは…」と言われて少しでも嫌な気持ちになる人に向けて、どのように考え方、捉え方を変えたのか紹介したいと思います。
ちなみに、「最近の若いやつは…」に対抗するわけではありません。あくまで自分の頭の中で上手く変換して自分を「無」の境地に移動させるだけ。「ムカッ」としてケンカする必要はないので大丈夫です。
「最近の若いやつはダメだな…」の変換作業【3つ】
「最近の若いやつは…」というフレーズにその都度イライラしていると正直疲れます。
だからこそ、巷で乱用されているこのフレーズにイライラしない対処法はないかと考えていました。
その結果たどり着いた変換作業をお伝えします。
「最近の若いやつは…」というフレーズが聞こえた瞬間、私は頭の中で次の3つに変換しています。
- 教育カリキュラムを作ったのはあなたの世代では?
- あなたにマネジメント能力がないだけでは?
- ダメな若いやつを育成したのはあなたでは?
ひとつずつご説明します。
1)教育カリキュラムを作ったのはあなたの世代では?
「最近の若いやつは…」の発言を年配の方と想定すると、「若い人を育てる教育カリキュラムを作ってきたのはあなたたち世代じゃん」、とツッコミを入れたくなります。
機能しなかった教育を進めてきたのだと自ら宣言しているように聞こえ、非常にみっともないとすら感じます。
「教育カリキュラムになんか直接携わっていない」、という反論もあるでしょうが、同世代のやり方に見て見ぬ振りをしていたあなた自身にも責任はあるでしょ、と言いたい。
「結果は開けてみないとわからないだろ」と反論されれば、先見の明がなかったのですね、とお返ししたい。
年配世代が創り上げてきた教育カリキュラムのはずなのに、反論できない「若者」という弱者に焦点を当て、自らの過ちをあたかも若者が悪いかのようにすり替えて文句を言ったり解説したりする気持ちが理解できません。
2)あなたにマネジメント能力がないだけでは?
「最近の若いやつは…」という発言の発端となった若者がもしあなたの部下であれば、「それはあなたのマネジメント能力がないだけですよ」と伝えたい。
これも先述した教育カリキュラムと一緒で、自分の能力不足を若者に転換している典型例。
なぜ「自分のマネジメント力不足で…」というフレーズにならないのか甚だ疑問です。
いくら歳を重ねても、自分の非を認めることは容易ではありません。誰しも「素晴らしい私でありたい欲」を持っていますから、できないことや欠点を自分の責任にできる大きな器を持った人は希少でしょう。
偉そうなことを言いますが、上司としてのマネジメント力を必死で身につけてこなかった上司側の「甘え」とすら思えてなりません。
3)ダメな若いやつを育成したのはあなたでは?
「最近の若いやつは…」という話題は、飲みの席で大いに盛り上がることでしょう。「あいつは全くなっとらん」と共通の話題で、若者を棚に上げることは酒のアテに最適ですよね。
もっぱらこれらの感覚が理解し難いというか、そもそも頭に入ってこないんですが、その若者(部下)がダメなのは、彼・彼女を育成した上司の責任ではないのでしょうか?
自らの力量不足を話題にして盛り上がる集団はいずれ駆逐されます。長く存続できないというのが持論です。
単純に若者批判をすることは、何も考えていない証で、若者の育成といったややこしいことを深く考えたくない、考えられない中身が空っぽの集団です。それって明らかに若者批判をする側の「怠慢」ですよね。
育成能力がないことをひた隠しにし、若者批判で時間を潰す集団に、私は決して入りたいとは思いません。
「若者」に対する信念
私は若者に対する信念があります。
それは、「若者はつねに優秀である」ということ。
事実、優秀な若者は次々に出てきています。テレビに出る人も随分と年下が増えました。
人は歴史を繰り返す悪性がありますが、一方、ここまでテクノロジーを発展させ、大いなる可能性を広げてきました。
数百年前までは、移動手段に車や飛行機が使われるなんて誰が想像したでしょう。それこそ、これほどインターネットが普及して世界中がネットワーク上で繋がるなんて、多くの人が「あり得ない」と思っていたはずです。
なのに、世界は発展し続けています。現時点では想像もできないようなことが、5年、10年後には現実のものになることだってよくあること。
このように、世界は常に良くなっています。その時代に適応した優秀な若い人が出てくるのは至極当然なことなのです。
最後に。
これまで説明してきたように、私の場合は「最近の若いやつは…」に対する自動変換によって、イライラを乗り切るようにしています。が、そもそもこの「最近の若いやつは…」って発言を辞めませんか?
自らの非を、自ら公に晒しているようで非常にみっともないと思うのですが、いかがでしょう?
若者がつねに優秀だとすれば、若者をダメにしているのはその上の世代なのかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。