7月3日に静岡県熱海市の伊豆山地区で発生した土石流。
現場では今もなお懸命な捜索・救助活動が続いています。
今回の土石流被害で亡くなられた方には心よりご冥福をお祈りするとともに、被災された方の穏やかな生活が一刻も早く戻ってほしい、そう願います。
静岡県は、発生から3日目となった本日5日に、行方不明となっている氏名を公開して情報提供を呼びかけています。
土石流発生当時、熱海市では7月1日〜3日の合計雨量が平年の7月1ヶ月分の約1.7倍に達しており、観測史上最大となるほどの大雨が降っていたそうです。大量の雨が降ると、土砂の中に水が浸透していき、土砂が柔らかく流動しやすい状態になります。少量の雨なら、土砂の中に浸透していき雨水を吸収してしまいますが、今回のような大量の雨が降った場合は、その土地の土質条件や地形によって、大量の水分を含んだ土砂が一気に流れ落ちるという土砂災害に繋がる危険があります。
全国の土砂災害発生件数は?
令和2年12月23日に国土交通省が発表した資料によると、令和2年の土砂災害発生件数は1,316件で、集計を開始した昭和57年から令和元年までの平均発生件数1,105件を上回る発生件数でした。

土砂災害発生件数の上位は?
令和2年の都道府県別発生件数は次のとおり。
- 1位 熊本県 227件
- 2位 鹿児島県 121件
- 3位 神奈川県 104件
- 4位 長野県 99件
- 5位 長崎県 73件
・・・
ちなみに、東京都は5件、です。
各都道府県別の土砂災害発生件数
各都道府県別に、令和2年度の土砂災害の発生件数をまとめました。
- 北海道 11件
- 青森県 1件
- 岩手県 1件
- 宮城県 0件
- 秋田県 8件
- 山形県 37件
- 福島県 6件
- 茨城県 7件
- 栃木県 1件
- 群馬県 1件
- 埼玉県 1件
- 千葉県 37件
- 東京都 5件
- 神奈川県 104件
- 山梨県 3件
- 長野県 99件
- 新潟県 42件
- 富山県 7件
- 石川県 7件
- 岐阜県 22件
- 静岡県 48件
- 愛知県 17件
- 三重県 12件
- 福井県 1件
- 滋賀県 3件
- 京都府 10件
- 大阪府 2件
- 兵庫県 8件
- 奈良県 2件
- 和歌山県 48件
- 鳥取県 15件
- 島根県 27件
- 岡山県 4件
- 広島県 43件
- 山口県 36件
- 徳島県 5件
- 香川県 1件
- 愛媛県 35件
- 高知県 25件
- 福岡県 62件
- 佐賀県 18件
- 長崎県 73件
- 熊本県 227件
- 大分県 42件
- 宮崎県 20件
- 鹿児島県 121件
- 沖縄県 11件
まとめ|年間1000件を超える土砂災害が発生している日本の現状を知ろう!
年間1000件を超える土砂災害が全国で発生している現状を知って、どんな感想を持ちましたか?
「そんな数の土砂災害が全国で発生しているのか!?」なんて感想を持っていただければ、この記事を書いた意味があります。
まずは、何事も現状を把握すること。
今回の熱海の土石流は、大きな被害となり多くの人命や家、生活が奪われました。このようなニュースを見ると、なんとも言えない辛い心境になります。
「全国では、毎年約1000件もの土砂災害が発生している。少しは自分たちの生活にも防災の意識を取り入れてみよう」という方が全国にひとりでも多く増えることを願っています。
災害は、常に身の回りに、そして、むごくも突発的にやってきて、瞬間的に大切なものを奪っていきます。
このような災害が少しでも減るよう、防災・減災の観点から計画的な対策を進めていきたいと強く思いました。