中央区の晴海地区と江東区の豊洲地区に架かる錆びた橋がありました。
春海橋と並行にかかる橋で、春海橋を渡っていると一際目立つ旧晴海鉄道橋の存在感に目を奪われます。
中央区と江東区に架かる旧晴海鉄道橋
旧晴海鉄道橋は、臨港鉄道東京都専用線の晴海線開設に伴い東京都港湾局が事業主となり旧国鉄によって建設された全長190.3m、幅員3.8mの旧鉄道橋です。
昭和28年(1953年)に越中島駅から豊洲埠頭までを結ぶ深川線が開業し、昭和32年(1957年)に深川線を分岐する形で晴海埠頭まで延伸する晴海線が開業しました。
昭和32年(1957年)から平成元年(1989年)まで使用された後、平成元年に廃止され、現在まで閉鎖管理され残存しています。
旧晴海鉄道橋が遊歩道としてよみがえる
平成元年に廃止され閉鎖管理されていた旧晴海鉄道橋は、取り壊されることなく、30数年の月日を経て遊歩道としてよみがえります。
具体的な遊歩道の計画は現時点でよくわかりませんでしたが、東京都港湾局によると「歴史的な価値を残しつつ、バリアフリーにも配慮した魅力的な遊歩道整備を実施」する予定だそうです。
晴海側には晴海臨海公園や晴海ふ頭公園があり、豊洲側には春海橋公園や豊洲公園、豊洲ぐるり公園がある周辺環境を活かして、中央区と江東区の公園をより一体的に結ぶ橋としてよみがえることを私自身勝手に期待しています。
今後のスケジュール
東京都港湾局が旧晴海鉄道橋の整備スケジュールを発表しています。
- 令和3年2月〜令和3年度:耐震補強工事(晴海側)
- 令和3年度〜令和4年度:耐震補強工事(豊洲側)
- 令和5年度以降:遊歩道整備
令和3年度に晴海側(中央区)の下部工耐震補強工事が完了する予定です。地震による橋の倒壊を防ぐため橋脚等の補強を行います。
その後引き続いて、令和4年度にかけ同様の工事を豊洲側(江東区)で行います。
下部工の工事が完了すると、上部工と遊歩道整備に入ります。上部工では、部材の補強や塗装の塗り替えが予定されています。
旧晴海鉄道橋が整備され、実際に一般開放されるのは令和6年度(2024年度)以降になる感じでしょうか。
昭和32年に鉄道橋として整備された旧晴海鉄道橋。令和の時代になって人が通る遊歩道として生まれ変わるなど、当時の人は予想だにしなかったでしょう。
完成した暁には、1957年当時にタイムスリップした感覚で、ぜひ一度渡ってみたいと思います。