東京都の令和4年度予算が1月28日公表されました。
詳細は「東京都財務局HP 令和4年度予算」からご確認ください。
毎年この時期になると各自治体から来年度予算の情報が公開されます。
「予算」とは、1年間の収入と支出の見込みをまとめたもので、税金という収入をどのように使っていくかを示した事業計画のようなものです。
この予算を確認することで、どれくらいの金額がどのようなことに使われているかを知ることができます。その自治体の今後の方向性を確認できるのです。
行政は税金をもとに、防災や福祉等の行政サービスを提供しています。
だからこそ、納めている税金がどのようなことに使われているか知っておくことは必要なことです。
東京都はどのようなところに大切な税金を使っていくのか。公表された令和4年度予算から確認していきましょう。
【令和4年度】東京都の予算全体像
令和4年度の東京都の予算が発表されました。
細かい内容は168頁にも及ぶ「令和4年度 東京都予算案の概要」に記されていますが、まずは全体の大まかな概要をおさえていきましょう。(詳細が気になる方は確認してみてください)
令和4年度の東京都の予算額は、全体で15.4兆円となり、その内訳は
- 一般会計:7.8兆円
- 特別会計:5.8兆円
- 公営企業会計:1.8兆円
となっています。
東京都の全体予算額15.4兆円は、諸外国と比較すると一国の予算と同規模。
- ノルウェー:20.4兆円
- スウェーデン:14.3兆円
東京都が大都市のひとつであるということが予算規模の大きさからもわかると思います。
この予算を最大限活用することで、都民サービスの充実化を図っているのです。
その中でも「一般会計予算」は、税金収入をもとに作成しています。このため、我々が納める税金がどのように使われているかを見る上での参考になります。
一般会計の歳入と歳出を見てみましょう。
歳入(一般会計)
一般会計の歳入、つまり「東京都の収入源」は以下のとおりとなっています。
この歳入は行政サービスに変換できる原資であり、財政規模と考えることもできます。つまり、東京都には約7兆8000億円の財政力があること。
歳入額は前年度比(令和3年度比)で約3,760億円の増額(+5.1%)となりました。歳入が増額となっている背景としては、
- 都税
- 国庫支出金
この両者の増額が要因となっています。
「都税収入」では、企業収益が持ち直したことで法人二税(法人事業税・法人都民税)が増加し増収となっています。
また、「国庫支出金」では、新型コロナウイルス感染症対策の交付金が増加したことで大きく増収する結果となりました。
歳出(一般会計)
一般会計の歳出、つまり「東京都の支出先」は以下のとおりとなっています。
一般歳出は5兆8,407億円と前年度比(令和3年度比)で約2,286億円の増額(+4.1%)となりました。
この増額分は、「サステナブル・リカバリー」の実現取組のためとなっています。
この「サステナブル・リカバリー」がわかりにくいと思いますが、「サステナブル・リカバリー」とは持続可能な回復を指しています。
具体的には、脱炭素化やデジタル化など、世界の流れに乗り遅れないように持続可能な成長を実現させる取り組みのことです。
【主要事業】予算の7つの柱
令和4年度予算には、主要事業として7つの柱があります。これを軸に、7兆8000億円の予算を活用していきます。
その7つの軸がこちらです。
- Ⅰ 世界一安全・安心な都市
- Ⅱ 自然と調和した持続可能な都市
- Ⅲ 世界から選ばれる金融・経済・文化都市
- Ⅳ 「人」が輝く、誰もがいきいきと活躍できる共生社会の実現
- Ⅴ 子供の笑顔があふれる都市
- Ⅵ 「スマート東京」「シン・トセイ」の推進
- Ⅶ 多摩・島しょの振興
7つの軸の予算規模と内容、主要事業は次のとおりです。参考までにどうぞ。
Ⅰ 世界一安全・安心な都市
Ⅱ 自然と調和した持続可能な都市
Ⅲ 世界から選ばれる金融・経済・文化都市
Ⅳ 「人」が輝く、誰もがいきいきと活躍できる共生社会の実現
Ⅴ 子供の笑顔があふれる都市
Ⅵ 「スマート東京」「シン・トセイ」の推進
Ⅶ 多摩・島しょの振興
「TOKYO予算見える化ボード」の紹介
最後に、もっと東京都の予算について調べたり、確認してみたいという方は、「TOKYO予算見える化ボード」を活用してみてください。
こちらでは、東京都の予算全体像や財政規模、一般歳出、都税収入などの情報から主な事業、過去の予算内容まで調べることができます。
操作が少し重いかもしれませんが、東京都予算を非常にわかりやすく確認できる思うのでぜひ一度使ってみてください。どのように税金が使われているかがわかると思います。
少しは東京都の予算や税金に興味を持っていただけたでしょうか。とっつきにくい内容なので興味が湧かない方も多いかもしれません。
ただし、大切な税金がどのように使われ、住んでいる自治体がどのような方向に進んでいこうとしているかを知っておくことは日常生活を送る上で役立つことだと思います。
東京都がどのようにお金を集め、どのようなところに使っていくのか監視する上でも重要です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。