読書

亡きコリン・パウエル氏に捧げる。「リーダーを目指す人の心得」から得た教訓。

2022年1月3日

亡きコリン・パウエル氏に捧げる。「リーダーを目指す人の心得」から得た教訓。

昨年2021年10月18日にコリン・パウエルさんが亡くなった。

非常に残念で悲しい思いである。

コリン・パウエルさんは、ジョージ・W・ブッシュ政権下の2001年から2005年の間、国務長官を務めた。もともとは米国陸軍出身で、黒人として初の米国陸軍で四つ星の大将まで上りつめ、米国4軍のトップである統合参謀本部議長に史上最年少で就任するという経歴を持った方だ。

私自身、彼の著書「リーダーを目指す人の心得」を読んで多くのことを学んだ。だからこそ今回は、亡きコリン・パウエル氏に哀悼の意を表す意味でも、「リーダーを目指す人の心得」から学んだことをここに記す。

コリン・パウエルから学んだ「13のルール」

本書「リーダーを目指す人の心得」ではリーダーシップを発揮する「13のルール」が提唱されている。その「13のルール」とは、

  • 1.なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
  • 2.まず怒れ。そのうえで怒りを乗り越えろ。
  • 3.自分の人格と人の意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。
  • 4.やればできる。
  • 5.選択には細心の注意を払え。思わぬ結末になることもあるので注意すべし。
  • 6.優れた決断を問題で曇らせてはならない。
  • 7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
  • 8.小さなことをチェックすべし。
  • 9.功績は分けあう。
  • 10.冷静であれ。親切であれ。
  • 11.ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
  • 12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
  • 13.楽観的でありつづければ力が倍増する。

というもの。

私が気に入った「4つのルール」

この「13のルール」すべてを満遍なく満たすことがベストなのだろうが、その中でも私が特に気に入った4つのルールを紹介する。

  • 3.自分の人格と人の意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。
  • 7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
  • 8.小さなことをチェックすべし。
  • 12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。

3.自分の人格と人の意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。

あなたの職場には、反論を嫌う上司、意見を即却下する上司、部下の話に耳を傾けようとしない上司、そんな上司(リーダー)がいないだろうか?

「意思決定」における上司と部下の関係性について、本書の中の文章が印象的だったので書き留めておく。

私に反論しろ。心の底から反論しろ。自分が正しく、私はまちがった道を選んでいると私に納得させろ。

それが君たちの義務だ。そのために君たちはいるのだから。渡しに反論されたからといっておじけづかないこと。

ただし、議論は尽くしたとして私に決定を下す瞬間がいつかくる。そうしたら、自分の考えであるかのように私の決定を実行しろ。すばらしいと口先でほめたたえるだけなどもってのほか。ぶつぶつ文句を言うのもだめだ。一致団結し、成果を出さなければならないときなのだから。

また、新しい情報が入ったとか、私自身が失敗に気づいて再検討しようというとかがないかぎり、この段階で議論を蒸し返さないこと。忠勤とはしっかりと反論することであり、また、きちんと実行することである。

意思決定とは君たち自身についておこなうものでもなければ君たちの人格についておこなうものでもない。意思決定とは、情報をすべて集め、分析し、適切な回答も導き出そうとするものだ。

私は、君たちに対して常に愛情をもって接する。だからまず怒れ。そのうえで怒りを乗り越えろ。

7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。

このルールは親子関係でより言えるのかもしれない。

親の一方的な私利私欲を子供に押しつけていないだろうか?親の夢を叶えるために子供がいるわけではない。子供であったとしても一人の人間であり、子供の趣味嗜好に介入することはできないのである。

逆も然りで、すべて親から言われるがままで意思決定をすべて親に任せてはいないだろうか?人生は他の誰のものでもない。あなた自身のものである。

周囲の圧力や望みに流されるのではなく、自分の判断で選択しろ。決断においては、事実に基づく自分の直感が一番大事である。そして、知っておくべき注意点は、世の中には色々とアドバイスしたい人が多いということ。

8.小さなことをチェックすべし。

「大は小を兼ねる」という言葉を日頃から意識していた私にとっては多少の驚きを隠せなかった。小さな綻びが大きな問題へ繋がるということなのだろう。

プロ意識を持ったギリギリのせめぎ合いを常日頃している人にとって、小さなことをチェックすることがどれほど重要なことか身に染みて理解しているのであろう。

私はまだそのステージには到達できていないようだ。

最終的な成否を左右するのは、たくさんの小さなことで、小さなことを感じられなければならない。有名なマザー・グースを紹介する。

釘がないので蹄鉄が打てない 蹄鉄が打てないので馬が走れない 馬が走れないので騎士が乗れない 騎士が乗れないので戦いが出来ない 戦いが出来ないので国が滅びた すべては蹄鉄の釘がなかったせい

12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。

「恐怖ですべてを支配できるなら、怒鳴り散らせばいい。現実はそう単純ではない。」という持論を後押ししてくれるような言葉だった。恐怖によって自分の意志や意思決定を曲げるようなリーダーには誰もついてこない。

恐怖に打ち勝つようなトレーニングを日頃から想定して黙々と取り組む。孤独に打ち勝つことが最初のハードルなのかもしれない。

恐れは自然な感情で、恐れをを乗り越えて行動するトレーニングや恐れがあっても行動するトレーニングもできる。恐れに対する準備を整え、直面したら恐れをコントロールしよう。恐れにコントロールされる人物にリーダーの資格はない。

リーダーが行う「意思決定」は速ければいいというものではない

最後に、リーダーが行う「意思決定」について。

意思決定にはスピードが大事だとも言われるが、本書では「時間管理」が重要だと述べられている。

意思決定では拙速を避ける ― 適切な判断をタイミングよくおこなうこと。

質を落としてでも仕事が速いことは、時と場合によって求められるスキルかもしれない。ただ、時間管理を事前に行うことでバタバタせず冷静に熟考した上で意思決定をすることができる。と。

意思決定においては、時間管理が大切なタイミングを果たす。戦場での任務を与えられたとき、指揮官が最初に考えるのが「実行開始まで、どれだけの時間があるのか」だ。

その3分の1を分析と意思決定に使う。残る3分の2は、部下が分析や計画策定に使う時間だ。

自分が使える時間は徹底的に使うこと。拙速な判断をしてはならない。

よく考え、自分で分析をしてみる。部下にも分析させる。できるだけ多くの情報を集める。集められる情報の40%から70%が集まったら、どう判断すべきかを考える。

最悪なのは、長く待ちすぎること、時間切れになることだ。

日頃の業務から「時間管理」を意識して仕事に取り組もうと思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。

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みむら たけし

土木屋/国家総合職・国家一般職・都庁・県庁の4公務員試験に合格/野球10年/サッカー好き/イギリス・スペインでサッカー観戦(マンU・バルサ・レアル)/カリフォルニア州にホームステイ/全国400店舗達成/“Stay hungry, stay foolish”/2021年3月からブログ運用中!!

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