東京オリンピックの開幕を7月23日に控え、オリンピック前の取り組みが始まっています。
その一つが、大会期間中の「交通対策」です。
コロナによる緊急事態宣言等により、テレワークの導入やオフピーク通勤に加え、外出自粛により、都内の交通量や電車による人の流れはコロナ前のピーク時より減ってはいます。が、1回目の緊急事態宣言のような自粛ムードは皆無。ようやく人の動きや経済活動が戻ってきました。
そんな中で開幕を迎える東京オリンピックですが、大会期間中の大会関係者及び観客の安全で円滑な輸送と、物流を含めた都市活動との両立を図るためにも、交通対策は重要な役割を担います。
首都高で始まった交通対策
7月19日(月)より、首都高で交通対策実施を目的とした「料金施策」が始まりました。
これは、車の混雑が予想される昼間帯の高速料金を値上げし、夜間帯の高速料金を割引することで日中の交通量を減少させ、交通量の少ない深夜帯に分散させるというもの。
日中に首都高を利用すると、普段より多くの料金を取られるような仕組みになっています。
「料金施策」の対象期間
首都高で始まった料金施策の対象期間は、オリンピック・パラリンピック期間中となっており、詳細な期間は次のとおり。
- オリンピック:2021年7月19日(月)〜2021年8月9日(月)
- パラリンピック:2021年8月24日(火)〜2021年9月5日(日)
「料金施策」の内容は?
首都高で行われる料金施策の概要は、
- 交通量が増えると予想される昼間帯の料金を値上げ→交通量を抑制
- 夜間帯の料金を値下げ→抑制した分の交通量を夜間帯に分散
するというものです。
このような、時間帯によって料金を変動させて、交通量をコントロールすることを「ロードプライシング」と言ったりします。
時間帯別の料金変動
時間帯別の具体的な料金はこちら。
- 0時〜4時:5割引
- 4時〜6時:通常料金
- 6時〜22時:1000円上乗せ
- 22時〜0時:通常料金
6時から22時の間に移動する必要がある人が、0時から4時の夜間帯に移動することを選ぶのかと疑問ですが、それ以上に「昼間帯の1000円上乗せ」+「夜間帯の5割引」のインパクトがあるってことでしょうね。
私なら、0時から4時という時間設定が良心的ではないので、1000円上乗せでも昼間帯の移動を選ぶと思います。(笑)そもそも、車を所有していないので、大会期間中に首都高を利用することはないでしょうが。。。(笑)
対象車両
夜間割引「5割引」と昼間帯値上げ「1000円上乗せ」には、対象車両があります。
夜間割引「5割引」の対象車両
夜間割引が適用される車両は、ETCを搭載したすべての車種です。注意すべきは、ETC車に限るということで、現金車の場合は割引の対象外となります。
昼間帯値上げ「1000円上乗せ」の対象車両
1000円上乗せが適用される車両は、ETC車の場合、軽自動車・二輪車・普通車のうち自家用乗用車、現金車の場合、すべての軽自動車・二輪車・普通車です。上乗せが適用されるのは、基本的にマイカーとなっています。公共交通や物流車両などは値上げの対象外となっています。
なお、夜間割引の対象エリアは、首都高全線なのに対し、料金上乗せの対象エリアは、範囲内外が分かれています。詳しくは、首都高のホームページから確認をお願いします。
→東京2020大会期間中の首都高料金・ルート案内を確認する方はこちらから
まとめ|首都高の料金施策「ロードプライシング」の効果はいかに!?
東京オリンピックが7月23日に開幕するのを前に、渋滞緩和と円滑な輸送を目指し、首都高で料金施策「ロードプライシング」が始まりました。
時間帯別に、
- 0時〜4時:5割引
- 6時〜22時:1000円上乗せ
と、料金が変動します。
オリンピック大会が終了する頃には、この「料金施策」がどうだったのか、貴重なデータが取れていることでしょう。「料金施策」の効果が現れるような結果となれば、大会後もこのような料金変動施策が取り入れられるかもしれません。
昼間帯の料金上乗せと夜間帯の割引が、どの程度交通量に影響を及ぼすか、個人的に興味があります。これを機に、首都高の料金設定も大きく変わるかもしれませんね。